居場所カフェは文化資本のシェアの場

西東京市立中学校の放課後カフェの取り組み―

今や市内9校中7校で、地域のボランティアによるカフェが開催されているそうです。

取り組みには多くの理解と協力が必要ですが、部活や受験、人間関係などの悩みも多くなる思春期まっただなかの中学生が、親や学校・塾の先生以外のまちの大人たちと触れ合う機会をもつことで、お互いにとって刺激となり、視野を広げ、人生を豊かにする可能性が広がると考えるだけで、ワクワクします。

西東京市のイベントでゲストスピーカーとして登壇したのは、神奈川県内の高校でふたつの居場所カフェを運営するNPO法人パノラマの代表理事、石井正宏さん。
このお話がとても面白く、とてもとても参考になりました!

カフェを運営しているのは、県内でも中退率No1で、生徒たちは家庭環境や貧困その他の理由により、中学校までに持てる力を十分発揮しきれなかった子たちが多い高校。衣食住すべてに困っているわけではないが、例えばゲームや携帯、オシャレにはお金を使うがご飯をきちんと食べないなど、お金を使うプライオリティが崩れている相対的な貧困状況にある。

教育を家庭と企業に丸投げしている日本においては、こうした貧困が世代を超えて連鎖していく傾向にあり、生活保護が「世襲制」になっているともいわれている。
DVやネグレクトも多い、こうした環境で育ってきた子どもたちは、概して自己効力感が低い。これをどう高めていけるかというところは、校内居場所カフェの大きな役割。

ご自身の育った環境も複雑だったが、好きな音楽を突き詰めていくことで多くの人と繋がり世界が開けた、と話す石井さん。

食や音楽、手芸や着付けなど、関わる方々が持っていて、子どもたちが自分ではなかなかできない体験を、カフェで随所に取り込むことにより、文化的なフックを増やす、それが子どもたちにとって生きていくうえでの大きな財産につながる。それを「文化資本のシェア」と表現していました。

 

抱える問題を言葉にして相談できる子どもは「勇者」
居場所カフェは言語化されない問題への気づきを得る場

また、自分の抱える問題を認識し、言葉にして個別に相談できる子どもは「勇者」であるとして、居場所カフェは、言語化できていない、より潜在的なニーズに、関わる大人が気づける場となり得る、それも大きな役割のひとつであるとしています。

役割が固定化しない、強制的な何かがない、本当のフリーのスペースで、子どもたちから信頼される存在になったとき、ふと何気ない会話のなかで子どもたちの本音を聴くことができる。そのため、スタッフは、例えば図書館の司書さんのように、困っている様子の人やいつもと様子が違う人にはさりげなく声をかけられるようなスキルが必要なのだ。(ちなみに石井さんたちの居場所カフェは図書館のなかで運営している)。

場合によっては、発見したり知り得た情報を学校のなかで適切に巡らせて必要な支援に繋げることも必要で、石井さんたちはカフェ開催後のふりかえりに学校の相談コーディネーターにも入ってもらっているそうです。

こうした居場所カフェの取り組みがあちこちで行われることにより、子どもたちの抱える問題が少しでも早期発見、早期支援に結びついたら本当に良いなと思います。

小平でも、何か始めていけたらいいなあ!と思いました。