6月金曜サロン

「ひとりの強み(forte)をみんなの強みにする~親子がくつろぎ安心できる居場所」について

先日「コミュニティベースMi Forte(ミフォルテ)」を主宰・運営されている濱村美紀子さんにお話を伺いました。

濱村さんは発達支援ファシリテーター、こども支援士の資格をもち、ご自身の子育ての経験も活かしつつ、発達に偏りのある子、不登校の子をもつ親の会『親カフェぷらっときっず』を発足、地域教育コーディネーターや学校経営協議会会長の経験から地域課題解決と、多様性の調和を実現するために2020年11月『コミュニティベース MiForte』を店舗拠点としてオープンしています。

見たり触ったりすると心が落ち着くグッズが沢山!

当日は学園西町にある「Mi Forte」でお話を伺いました。
ガラス張りの入口にはカラフルで多彩な折り紙がたくさん貼られており、中に入ると緑にあふれナチュラルで癒される雰囲気。そして我が家の子どもたちも大好きな、手触りが柔らかでいろんな色形のスクイーズや、思わず遊び続けてしまう手作りおもちゃ、じっと見ていると心が落ち着くようなグッズなどが手の届くところに並んでいました。

心がざわついたとき、パニックになったとき、こういうツールを知っておくと落ち着けることもあるよ、という心遣いに、人柄が表れているなと思いました。

 

 

 

 

 

 

ご自身の子育てを通しての学びから、居場所づくりまで

実際のお話のなかでは、ご自身の子育て(お子さんの心身の発達や家族を含めた周囲との関わり、不登校などの経験から、多くの「学びなおし」や「関係構築」を経て、今ではお子さんもイマドキ高校生となり!状況も安定しているという現在に至るまで)、これまでの活動や居場所を作るまでの経緯などについてお聴きしました。

その穏やかな語り口からは想像もできないものの、とても一言では語りつくせない多くの悩みやご苦労もあったこととは思いますが、濱村さん自身が真摯に向き合い、学び続けてきたからこそ現在の活動があるのだと思いました。

子育てのなかでは、先が見えない不安もあり、ついついそのときどきの子どもの発達が、標準と比べてどうか、周りと比べてどうか、ということを気にしてしまいがちですが、ありのままのその子の特性を共感的に理解し尊重しつつ、その子がその子でいられるような環境を整えていくこと、さらに気持ちに寄り添いつつ信じて見守っていくことの大切さについてご自身の経験から伝えていただき、とても共感しました。

 

 

 

 

 

発達に特性があるこどもたちについて知ることの大切さ

さらに、発達に様々な特性がある子どもたちについても、可愛いイラストとともに、なぜそうなるのかということも含めて丁寧に説明していただきました。
これがとってもイメージしやすく、わかりやすくて良かったです!

ASD(聴覚過敏、自閉スペクトラム症)やLD(学習障がい)、ADHD(注意欠如・多動症)など、多くの診断がある子どもたちの特徴について、なんとなく聞いたことはあっても、実際の生活のなかでの動作については知らないことが多く、いざというときにどう反応していいかわからないことがお互いを遠ざけてしまう一因にもなっていると思っています。ひとつひとつ聞いていると、苦手なことやこだわりがあることは特別なことではなく、小さい頃はとくに誰にでも多かれ少なかれ経験のあることでもあります。具体的にこんな特徴がある、こういうことが苦手、などがわかると、周りも理解し共感を示すことができて対応しやすくなるのではと思いました。

各小中学校でも、先生や子どもたちはもちろん保護者など周りの大人たちにも、是非このような機会を積極的に作ってほしいです。

コミュニティベースには、コロナ禍の2020年11月のオープンから現在までに、多くの相談が寄せられており、居場所としての利用や幼児から80代までの音楽教室としての利用(うち支援が必要な方が3割いらっしゃるとのこと)など、既に多くの方に親しまれているようです。さらに各家庭と社会教育、PTAやコミュニティスクール、学校教育などをつなぐベースとなる存在として、多くの方に知っていただくことによって必要とされる方々が繋がっていってほしいと思います。
さらなるご活躍に期待しつつ、応援しています!

濱村さんのかわいいイラスト付きの解説。
例えば赤ちゃんの頃にハイハイができず肩やひじの発達が遅れることで、文字を意図するところに書けない、など、様々な発達の関わりが実際の困り感として出てくることもわかりました。

 

 

 

 

↑子供のセンサリーニーズ(感覚欲求)に応え、合理的な配慮を提供する「センサリーツールふみおくん」

 

 

 

 

 

 

 

濱村さんたちの活動でも、学校のなかで子どもたちが過ごしやすくできるよう作業療法士のアドバイスを取り入れることを提言されているそうですが、こういうお役立ちグッズを学校や生活のなかでとりいれることも、子どもたちの困り感を減らす一歩となるのではないでしょうか。
センサリーツールふみおくん

左から山浦まゆみ、濱村さん、佐藤悦子