命を「編集」すること

生活クラブ千葉HPより

昨年生活クラブの勉強会で、「ゲノム編集作物」という言葉を知りました。

遺伝子を操作するという意味においては「遺伝子組み換え」と変わらないのですが、 外部からの遺伝子の挿入はなく、自身の特定の遺伝子の情報を「書き換える(編集する)」ことによって、 例えば、栄養価の高い農作物や日持ちの良い農作物、病害虫や天災に強い多収型の農作物などを 育てたりすることに利用することができる技術なのだそうです。

「ゲノム編集」は、自らの遺伝子情報のみに手を加えるため、「遺伝子組み換え」ほど倫理的な問題を指摘されないことから、 問題提起や規制に手が付けられる前に、どんどん研究や開発が進んでいることが問題となっています。

また、遺伝子組み換え作物と異なり、たんぱく質の変化がないことから、編集後の痕跡がないため、 その技術が使われた作物を見分けることが現時点では不可能であることも、不安を掻き立てる要素です。
「遺伝子組み換え」ではない「ゲノム編集」作物なら、JAS法で定めた有機農作物の基準にも適合するのそうだです。

昨年末には中国で、この「ゲノム編集」の技術を使って双子の赤ちゃんが誕生したというニュースもあり、 作物だけでなく、動物や人間への応用も懸念されるところです。

遺伝子組換え技術もそうですが、この技術によって、食料供給の安定化や不妊治療など、期待できることも多くある一方で、不都合な遺伝子を排除して誰かの意図に適う命を作るという事は、 ひとつの命の権利だけでなく、種の多様性を奪うことにもつながりかねない重大な問題です。

また、遺伝子技術にはまだわからないことも多く、将来にわたる安全性は未知数であることも考慮する必要があります。

 まずは、科学者や各省庁、政治家など一部の人々だけで規制への議論、検討をするのではなく、 多くの立場の人がその技術の存在を知り、意見を持つことが重要であると思いました。

私も、まずは消費者として、人として、関心をもちきちんと意見が持てるようになるよう、情報を集めていきたいと思います。